クラスメイトのアンドロと国立西洋美術館で開催されているカラヴァッジョ展に行ってきました。
風俗、五感、光、斬首のテーマごとに展示されており、彼の後継者の作品とともに展示されてます。カラヴァッジョは光の使い方、明暗の対比が特徴的な画家です。
カラヴァッジョの作品は、今にも瞬きをしそうな目、揺れそうなピアス、息を吹きかければ消えてしまいそうな蝋燭の火、採ったばかりの様な果実、身近な静物や物体を本物そっくりに描きます。
上の画像の果物籠を持つ少年の絵は、写実的に描かれた葡萄にスズメが勘違いして、絵をついばんだそうです。ですが、人間(少年)に驚いてスズメは葡萄を啄ばまない筈だ。という逸話があります。
美術史の授業で、作品のレイヤーを理解しなければいけないと教わりました。木本先生の仰った”レイヤー”とは、「時代」「出来事」「作者の人生」「作者の思い」その作品の積み重なった歴史を汲み取ることが大切なんだと、私は解釈しています。
先ほどの逸話のように、作者の生きた、その作品を描いた年代の出来事などを重ね、作品の解説をキチンと読みながらじっくりと作品を見ました。
そして、他の作者の作品や常設展の作品の年代を、大まかに100年ごとに区切って見てみると、描写の仕方が全く違うことに気づきました。
カラヴァッジョは斬首刑で、38歳の若さで沢山の作品と言葉を残し、死んでしまいます。
西洋美術最大の改革をし、フェルメールなどの巨匠は彼がいなければ生まれていなかったという彼は、何故、写実主義や自然主義を確立できたのか。何故、38歳で死んでしまったのか。何故、別格扱いをされる天才が、死刑宣告を受ける様な罪を犯したのか。
まだまだ分からないレイヤーがたくさんあります。彼の作品と彼自身をもっと好きになれる様、調べてみようと思います。